法人化して消費税の免除を受けるには?法人化のメリットその4

「個人事業者として開業して、事業が軌道に乗ってきて、そろそろ会社を設立して法人化したいと思っていますが、これくらいの利益でも法人化してもいいのでしょうか?」

という相談を最近よく受けます。

会社を作ること自体は、以前のような最低資本金などの制度がなくなりましたので、すごく簡単にできます。 しかし、個人事業者として事業をするのと、法人として事業をするのは税制面などで大きな違いがあります。

その1(→記事はこちら)では、「利益が出る場合には法人税の方が所得税より税率が低くなる。」
その2(→記事はこちら)では、「役員報酬を取ることにより、個人が負担する税金が安くなる。」
その3(→記事はこちら)では 「役員退職金を取ることにより、個人が負担する税金がすごく安くなる。」について書きました。

今回は「法人を作って最大2年間の消費税の免除を受ける」について書いていきたいと思います。


法人化のメリット その4 「法人を作って最大2年間の消費税の免除を受ける。」

消費税の申告納税の仕組み

事業者は売上が200円たったときには8%である16円の消費税含めて216円もらいます。
また仕入を50円したときには8%である4円の消費税を含めて54円を払います。
その売上に関する消費税16円から仕入に関する消費税4円を引いた12円を税務署に納めることになります。

また、2年前の課税売上(消費税がかかる取引の売上)が1,000万円以下の事業者については、この申告をする必要がない(つまり預かっている消費税を税務署に納める必要がない)ということになっています。

 

法人を作った場合には?

法人を作った年(第1期)は2年前にはそもそも法人がないので課税売上が1,000万円以下になりますし、次の年(第2期)についても同じように2年前には法人がないので課税売上が1,000万円以下になります。つまり第1期と第2期については消費税を納める必要はないということです。

その次の年(第3期)は2年前(第1期)の課税売上が1,000万円以下かどうかで消費税を納めるかの判定をします。

なお、注意点として、資本金が1,000万円以上で設立した場合には、この免除はありませんので第1期から消費税を納める必要があります。

 

具体的にどれくらいの消費税を納める必要がないのか?

個人事業者として事業を始めて、軌道に乗って平成27年の課税売上が1,000万円を超えたとします。この場合には平成27年の2年後である平成29年から消費税を納める必要が出てきます。
そこで平成28年の年末あたりに法人を設立して事業を開始した場合には、平成29年と平成30年については消費税を納める必要がなくなるということです。

具体的には
1年間の課税売上 2,400万円
1年間の課税仕入 1,200万円(原価率50%とした場合)
のときには

(2,400万円-1,200万円)×8%=96万円
96万円×2年=192万円

個人事業のままなら毎年96万円の消費税を税務署に納める必要がありますが、法人化した場合には96万円×2年間=192万円の納税が不要になるのが法人化の大きなメリットです。

 

決算日をいつにしたらいいか?

では法人を作る場合に決算日をいつにしたらいいか、ということですが、消費税の免除期間を一番多くとるには設立日の前月末日を決算日にすると免税期間を一番多くとることができます。

例えば8/2を法人の設立日とした場合には、7/31を決算日に、9/10を設立日とした場合には、8/31を決算日に、という形になります。

 

消費税の免除を受けるときの注意点

平成25年に消費税法の改正がありまして、消費税の免除を2年間受けられない場合があります。

法人設立第1期の前半6ヶ月において

①課税売上が1,000万円を超える場合
②給与等支払額が1,000万円を超える場合

①②両方を満たしてしまう場合には、第1期は消費税を納める必要はありませんが、第2期は消費税を納める必要がでてきます。

設立の際にはこの要件を満たしてしまわないかを事前に確認する必要があります。

また、法人化してすぐに建物や設備などの購入を計画している場合には、免税ではなく、消費税を申告することによって消費税の還付を受けることができるケースもありますのでお気を付けください。

 

まとめ

法人化するのは消費税の免除を受けるのが目的、という話をよく聞きます。確かにそれはインパクトのあるものですが、上にも書いたとおり、消費税にはいろいろな規定があります。

当事務所では、法人化を考えておられる事業者の方に事前にヒアリングをさせて頂きまして、どれくらいの消費税の免除のメリットがあるのか、本当に免除を受けることができるのかをお伝えした上で、法人化をするお手伝いをさせて頂いております。

法人化のメリットはまだまだあります。
次回は、メリットその5として、事業で損が出た場合の「欠損金の繰越し」についてお伝えいたします。


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