会社設立をしたほうがいいか?法人化のメリット・デメリット その1
「個人事業者として開業して、商売が軌道に乗ってきて、そろそろ会社を設立して法人化したいと思っているが、これくらいの利益でも法人化してもいいのか?」
という相談を最近よく受けます。
会社を作ること自体は、以前のような最低資本金などの制度がなくなりましたので、すごく簡単にできます。
しかし、個人事業者として事業をするのと、法人として事業をするのは税制面などで大きな違いがあります。
その違いはどういったものがあるのか、法人化したらどういった良いことや悪いことがあるのかを、今後数回にわたって、税理士の観点から書いていきたいと思います。
法人化のメリット その1
「利益が出る場合には法人税の方が所得税より税率が低くなる。」
個人事業者にかかる税金は、所得税・住民税・事業税があります。このうち所得税は、利益が大きくなるにつれて税率が上がります。これを考慮した個人事業者の税率は、最低では10%くらいですが、最高は50%近くまでいきます。
一方で、法人にかかる税金(法人税・住民税・事業税)トータルの税率は、利益が800万円までの部分は約23%、利益が800万円を超える部分は約34%で、それ以上はどれだけ利益が増えても税率は約34%です。
つまり、利益が小さければ個人事業者のままでもいいし、利益が大きくなれば法人として税金を払った方が有利であるといえます。
利益ごとの具体的な税金の額
それでは、利益が増えればどれだけ税金が変わるのか具体的に確認してみます。詳細な計算は省略しますが、利益がある金額だった場合に、個人事業者と法人でどれだけ税金が変わるかご確認ください。
①年間の利益が800万円の場合
個人事業者 年間の税金 192.41万円(実効税率24.0%)
法人 年間の税金 184万円(実効税率23.0%)
②年間の利益が1,600万円の場合
個人事業者 年間の税金 556.11万円(実効税率34.8%)
法人 年間の税金 456万円(実効税率28.5%)
③年間の利益が3,200万円の場合
個人事業者 年間の税金 1,414.9万円(実効税率44.2%)
法人 年間の税金 1,000万円(実効税率31.3%)
利益が増えるごとに、個人事業者と法人の税率の差が大きくなっていくのがお分かりいただけるかと思います。
どれくらいの利益が出れば法人化した方がいいのか?
以上から、個人事業者で利益の金額が大きいときは法人化した方がメリットがあると言えます。
年間の利益が800万円以上ある個人事業者の方や、今後事業の拡大が見込まれる方は、ぜひ会社設立、法人化をされるべきかと思います。
では、年間の利益が800万円に届かない方は法人化を検討する必要はないのでしょうか?
これも個人事業者には無くて、法人にはあるもの、つまり「役員報酬」を使うことによって、そこまで利益が出ていなくても、法人化のメリットを享受することができます。
詳しくは次回お伝えいたします。
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会社設立をするかどうかは、商売を始められてうまく軌道に乗った時にまず悩むことです。
当事務所では、ご相談者の状況に応じて、会社設立した方がいいのかをお話させて頂いております。
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上谷雄一(うえたにゆういち)税理士事務所
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